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  • 2021/01/24 23:09

    皆様、こんばんは。


    鞠's Collection デザイナー兼作家の根路銘です。
    日頃のご愛顧、誠にありがとうございます。
    急ぎで制作しないといけない着物があり、なかなか商品やブログの更新などができず、申し訳ございません。
    近々新商品を追加する予定ですのでお楽しみに!

    さて、今回は鞠's Collectionで素材に使われる生地についてのお話です。
    当ブランドでアクセサリー素材に使用されている生地は大きく分けて3種類。

    ① 根路銘まり オリジナル手染め生地
    ② 厳選 着物用正絹生地
    ③ 上質なレーヨンちりめん

    となります。
    本日はまだ入荷数が少ないですが ① 根路銘まり オリジナル手染め生地についてお話しします。

    《生地を染めている様子》


    オリジナル手染め生地とは
    私がオリジナルのデザインで染めた生地のことで、沖縄の伝統工芸「紅型」の技法を元にした「型染め・糊防染(かたぞめ・のりぼうせん)」という技法で染められています。
    型染めの技法自体は紅型のみならず、各地の伝統的な染色工芸に用いられています。「糊防染」というのは型紙とともに米糠などから成る粘りのある防染糊を使う技法のことで、簡単に説明すると、糊がついている箇所は染まらず、色を刺し糊を洗い落とした時にそこが白く残って柄が出てくるわけです。
    アクセサリーに使用されている手染め生地は、私が着物を染める際に一緒に生地を染めております。

    《染色作業後 まだ糊がついた状態の図》

    《糊を洗い落とした後》

    糊が落ちて、染まっていない白い部分がくっきりと見えてきたのがわかると思います。
    「型染め」にも色々あり、このように糊を使わずに型紙の上から直接染める「ステンシル」という技法もあります。

    ちなみに、型染め・糊防染で着物を染める場合、工程はこのようになっております。
    (01) アイディアスケッチ モチーフをデザインし、着物の雛形に作図する
    (02) 原寸大草稿 雛形を元に原寸大の大きさに図案を描いていきます。
    (03) 白黒草稿 型紙を作るため、原寸大草稿の上から色(染料)が入る場所を黒、白く残る場所を白と2色にはっきり分けてトレースします。
    (04) 型彫り 白黒草稿を元に型紙を作成します。
    (05) 紗張り 出来上がった型紙に「紗」と呼ばれる薄い網をはり、型紙を強化します。
    (06) 糊置き 糊板という粘着力のある板に真っ直ぐ生地を張り、その上に型紙を置き、ヘラで糊をのせていきます。
    (07) 地入れ 滲みどめの作業です。糊置きが終わった布に適度に薄めた豆汁(大豆の絞り汁)をはけで全体にぬります。
    (08) 配色 事前に色の配置をめ、薄い色を使いその通りに生地を染めていきます。
    (09) 二度刷り 配色を終えた後、濃い色(本来出したかった色)で染めていきます。二度で足りない場合、3度刷りをすることもあります。
    (10) 隈取り モチーフの縁などにぼかしを入れたい場合、二度刷りの後にぼかしを入れる作業をします。
    (11) 色定着 色を定着させるため、3-5日 陽当たりの良い場所におく。または高温で蒸して色を定着させる。
    (12) 水元 糊を洗い落とす作業。

    以上が基本的な流れです。地色を染めたい場合などはこの後にさらに工程が加わってきます。
    とはいっても文字だけでは分かりづらいですよね^^;
    次回以降のブログで各工程を少しづつ紹介できたらいいなと思っております。

    今回は、最近制作したパネル作品『人魚姫』の制作工程動画を用意いたしましたので、お時間あればご覧ください。



    では、次回またお会いしましょう!
    新商品の追加も楽しみに待っていていただけると幸いです。

    鞠's Collection ( Mari's Collection ) 作家・デザイナー 根路銘まり